2025/06/22 02:30

包丁やナイフをしっかり研ごうと思ったとき、「どの砥石を使えばいいの?」と迷ったことはありませんか?
とくに“荒砥石”は、刃こぼれがあるときに使うイメージはあるものの、「家庭用では使わない?」「プロ用?」と疑問を持つ方も多いようです。

この記事では、荒砥石を使う意味とタイミング、選び方のポイント、そして「どんな人にこそ使ってほしいか」まで、実用目線でご紹介します。



荒砥石って何?まずは基本を押さえましょう

荒砥石とは、砥石の中でももっとも「粗い粒度(#80〜#400程度)」を持った砥石で、金属をしっかり削る作業に特化した砥石です。仕上げの高番手になるほど刃先を緻密に仕上げることが求められるのに対して、荒砥石は刃全体を形作るまさに「土台作り」のための砥石です。

  • 大きな刃こぼれの補修

  • 錆びた刃物の再生

  • 新品包丁の初期調整
    など、いわゆる「整形・削り直し」の場面で活躍します。




こんなときこそ荒砥石の出番!

  • 刃が欠けた、丸くなった包丁を立て直したい

  • 中古や放置していたナイフを使える状態に戻したい

  • 自分好みの刃角に変えたい(特に新品包丁)

中砥石や仕上げ砥石では対応が難しいような荒仕事にこそ、荒砥石は必要なのです。
とくにDIYナイフ・鉈・剪定ばさみなどの再生にも重宝されます。




荒砥石を使うときのポイント

  1. 最初に水にしっかり浸す(5~10分)

  2. 刃の形を整えるように“面”で研ぐ

  3. 刃こぼれが消えたらすぐに中砥石へ切り替える

  4. 使用後は表面を面直し(平らにする)

※ 荒砥石は削れが早いぶん、使いすぎには注意が必要です。「必要な分だけ削る」が基本です。




粒度の選び方

  • 大きな欠けや錆がある刃物:#100前後の粗目

  • 中程度の調整目的:#240〜#400

  • 一般的な家庭包丁+軽度の欠け補修:#300前後が万能

サイズは「200mm前後」の角型がスタンダードですが、ナイフや細身の刃物にはミニサイズもおすすめです。




おすすめの1本:ALTSTONE「深 300」

砥石は母材が「硬い」と研磨剤の表出が悪くなり研削力が落ち、逆に研削力を高めようと「柔らかく」すると砥石自体が減りやすくなります。
研削力が求められる「荒砥石」では、このバランス問題が顕著に出るので、作り手泣かせの砥石なんです。。

ALTSTONE深300は、耐久性と研削力のバランスをできるだけ高めようとかなり試行錯誤してできた砥石です。
複数の研ぎ師にサンプルを見ていただき、配合・焼成温度を何度も見直して完成した本格砥石。




まとめ|中砥石だけじゃ足りない理由

中砥石や仕上げ砥石は“整える・仕上げる”のが仕事です。
でも、荒砥石だけが**「削る」作業を短時間で効率よくこなせる**砥石です。

切れ味の土台をつくるためにも、荒砥石を一本持っておくと、
“砥石で研ぐ”ということがぐっと現実的になり、刃物の寿命も延びます