2025/06/01 10:57
なぜ包丁を研ぐ必要があるのか?
「最近トマトの皮がスッと切れなくなった…」「お肉を切るときに包丁の刃が滑る…」と感じたことはありませんか?包丁は使っているうちに少しずつ切れ味が落ちていきます。切れ味の悪い包丁は食材を潰してしまい、料理の見た目や味にも影響するだけでなく、力を入れる分だけケガのリスクも高まります。そこで重要なのが定期的な包丁研ぎです。包丁を研ぐ方法には、市販の簡易シャープナー(研ぎ器)を使う方法もあります。引くだけで研げて便利ですが、簡易シャープナーは刃先の数ミリしか研磨できず、長持ちする切れ味は得られません。刃の角度を作るのではなく、刃の先っちょだけを尖らせるようなイメージです。そのため、だんだんと刃が鈍角になっていき切れ味が続かなくなっていくという訳です。
砥石(といし)を使った本格的な研ぎ方なら、刃全体をしっかり研磨できる(つまり角度を作り直す)ため、新品同様の鋭い切れ味が蘇り、しかも長持ちします。最初は難しそうに感じるかもしれませんが、ポイントさえ押さえれば初心者でも十分に扱えます。一度自分で研いで切れ味が戻った包丁を使うと、料理の快適さが格段にアップしますよ。
砥石(といし)を使った本格的な研ぎ方なら、刃全体をしっかり研磨できる(つまり角度を作り直す)ため、新品同様の鋭い切れ味が蘇り、しかも長持ちします。最初は難しそうに感じるかもしれませんが、ポイントさえ押さえれば初心者でも十分に扱えます。一度自分で研いで切れ味が戻った包丁を使うと、料理の快適さが格段にアップしますよ。
砥石の種類とそれぞれの用途
砥石は、「粒度(番手)」によって用途が異なります。粒度とは砥石に含まれる砥粒の粗さを示す番号で、数字が小さいほど粒が粗く削る力が強く、数字が大きいほど粒が細かく滑らかに仕上げることができます。大きく分けて以下の3種類があります。
(何番までが荒砥石で、何番からが中砥石・・・というような共通のルールは存在しません。目安とお考え下さい)
(何番までが荒砥石で、何番からが中砥石・・・というような共通のルールは存在しません。目安とお考え下さい)
・荒砥石(あらといし) – 粒度#80〜#400程度。刃こぼれの修復や、大幅に切れ味が落ちた包丁の形状を整えるときに使います。非常に研削力が高い反面、日常のメンテナンスでは削りすぎになることもあるため、初心者は必要になるまで無理に使う必要はありません。
・中砥石(なかといし) – 粒度#800〜#1500程度。日常的な包丁研ぎに最もよく使われる基本の砥石です。家庭用包丁のメンテナンスには、この中砥石だけで十分とされ、特に#1000前後の砥石は汎用性が高く初心者にも扱いやすい標準番手です。切れ味が落ちてきた包丁の刃先を適度に削り、元の切れ味を回復させるのに適しています。
・仕上砥石(しあげといし) – 粒度#3000〜#8000以上。中砥石で研いだ後に使用し、刃先をさらに滑らかに磨き上げてより鋭い切れ味を引き出すための砥石です。刺身包丁など極上の切れ味を求める場合に使われます。ただし、家庭で日常的に使う分には必須ではなく、中砥石だけでも十分実用的な切れ味が得られます。より切れ味や刃の持ちにこだわりたい方が追加で使う上級向けの砥石と言えるでしょう。
「初めて」はまずどの砥石を買うべき?
初めて買う砥石は中砥石(#1000前後)をまず1本用意すればOKです。日常の包丁の切れ味維持は中砥石があれば十分対応できます。刃こぼれがある場合だけ荒砥石の出番ですが、そうでなければ荒砥石は最初から揃えなくても問題ありません。逆に「もっと鋭くしたい」「研ぎ上手になりたい」と感じたら、次のステップとして#3000以上の仕上砥石を追加すると良いでしょう。中砥石と仕上砥石が一つになった両面砥石も市販されていますので、後述するとおりそれを選べば1台で中研ぎと仕上げ研ぎの両方に対応できます。
おすすめの砥石の選び方(粒度・形状)
では具体的に、初心者が最初の砥石を選ぶ際に注目すべきポイントを見ていきましょう。
1. 粒度(番手)は#1000前後が万能: 前述のとおり最初に手に入れるべきは中砥石で、粒度は#1000程度が扱いやすく万能です。刃線を直したり、刃欠けをなおしたりする必要がない時は荒砥石は必要ありませんし、仕上げ砥石がなくても今まで砥石で研いだことがない人でしたら#1000だけでも充分切れ味を実感することができます。


2. 形状やタイプ: 砥石には単一砥石(片面が砥石になっている一般的なもの)と両面砥石(裏表で異なる粒度の砥石が貼り合わさっているもの)があります。初心者でまず1本用意するなら、両面砥石がお得で便利です。例えば片面が#1000、中級砥石で反対面が#3000〜#6000程度の仕上砥石になっている製品なら、この1本で刃こぼれ修正以外のほとんどの研ぎ作業をまかなえます。一方で単一砥石の場合は中砥石のみ購入し、仕上げ用が欲しくなったら別途買い足す形になります。
また、砥石のサイズもチェックしましょう。一般的に長さ20cm前後・幅5〜7cm程度の砥石があると包丁を安定して動かしやすいです。家庭での収納スペースとの兼ね合いで検討してみてください。
台がくっついているタイプか、台がないタイプか、という観点もあります。台がくっついていると便利ではありますが、砥石がいくつも増えてくるとそれぞれに台が付いていると場所を取るようになってきます。台が付いているタイプはそれだけで完結するので便利ではありますが、将来買い足していこうと考えているなら、砥石台は別に買って、砥石自体は台なしタイプを選ぶのがおススメです。
また、砥石のサイズもチェックしましょう。一般的に長さ20cm前後・幅5〜7cm程度の砥石があると包丁を安定して動かしやすいです。家庭での収納スペースとの兼ね合いで検討してみてください。
台がくっついているタイプか、台がないタイプか、という観点もあります。台がくっついていると便利ではありますが、砥石がいくつも増えてくるとそれぞれに台が付いていると場所を取るようになってきます。台が付いているタイプはそれだけで完結するので便利ではありますが、将来買い足していこうと考えているなら、砥石台は別に買って、砥石自体は台なしタイプを選ぶのがおススメです。
3. セット内容: 砥石には付属品が付いたセット商品もあります。例えば砥石を固定するための砥石台(ホルダー)や、砥石の表面を平らに整える面直し砥石(修正砥石)、角度を一定に保つためのガイドクリップなどです。初心者の場合、砥石台は安全かつ安定して研ぐために用意したいアイテムです。最近は砥石本体に滑り止め台座が付属している製品も増えています。面直し砥石は使っていくうちに凹んだ砥石の平面を修正するのに必要ですが、最初は必須ではありません(砥石を使い始めてしばらくは平面が保たれるため)。とはいえ、長く使うならいずれ必要になるのでセットに含まれていると便利です。初心者向けには、中砥石+仕上砥石+砥石台+修正砥石がひとまとめになったオールインワンの砥石セットも市販されています。例えば實光刃物からは荒砥・中砥・仕上げ砥石に砥石台と修正砥石、サビ取り用消しゴムまで揃ったセットが販売されています。最初から本格的に揃えたい人はこうしたセットを検討しても良いでしょう。
「はじめての1本」におすすめの砥石
いくら砥石の選び方を聞いても、結局どれを買えばいいのか分かりませんよね。
初心者に人気のある定番砥石やブランドをいくつかご紹介します。いずれも評価が高く、初めての包丁研ぎデビューに適した製品です。それぞれ特徴が異なりますので、自分の重視するポイントに合わせて選んでみてください。
初心者に人気のある定番砥石やブランドをいくつかご紹介します。いずれも評価が高く、初めての包丁研ぎデビューに適した製品です。それぞれ特徴が異なりますので、自分の重視するポイントに合わせて選んでみてください。
✅シャプトン 刃の黒幕 オレンジ (#1000) – プロ、アマを問わず最も定評のあるシャプトン社の中砥石です。硬質なマグネシア砥石で砥石自体が減りにくく研削力も高いのが特徴。使う前の長時間浸水が不要(いわゆる“即使い”可能)なので手軽さも兼ね備えています。価格は中砥石としては少し高めですが、その分長持ちしやすく初心者から上級者まで満足できる品質です。プラスチックケースがそのまま研ぎ台としても使える設計です。マグネシア砥石なので、「水に浸けすぎたまま放置してはいけない」、とか多少注意は必要ですが。
✅キング デラックス (#1000) – 日本で古くから家庭用砥石の定番として親しまれてきたキング砥石の代表モデルです。使用前に十分な水浸け(後述)を要しますが、水に浸すと砥石表面に研ぎ汁が出やすく刃当たりが優しいのが特徴です。価格が手頃で入手しやすく、初めての1本として選ぶ方も多い砥石です。焼成砥石なので砥石の安定性も〇です。「コスパのキンデラ」です。
✅Suehiro(末広)Cerax 両面砥石 CR-3800 (#1000/#3000) – 1台で中研ぎと仕上げ研ぎの両方ができる両面砥石です。#1000の中砥石面で日常の切れ味を回復させ、裏面の#3000仕上げ面で刃先を滑らかに整えることができます。中砥石だけでも十分切れ味は戻りますが、#3000の面で軽く刃先を仕上げればこれ一台でプロ料理人なみの切れ味も可能です。仕上げまでできることを考えるとこれもコスパのよい一本です。
✅ナニワ エビ印スーパー砥石 台付 (#1000) – 大阪・堺の砥石メーカー、ナニワ研磨工業の定番中砥石です。エビのマークで親しまれ、砥石本体に滑り止め兼用の台座が付属しています。砥石台を別途用意しなくても安定して研ぎ作業が行えるのが便利なポイントです。粒度#1000でオールマイティに使え、研ぎ心地の良さと切削スピードのバランスが取れています。価格はやや高めですが品質重視の方に支
持されています。
✅大谷 嵐山台なし (#1000) – レジノイド砥石でサイズも研削力もとてもバランスの良い砥石です。大谷砥石の嵐山といえば#6000番が有名ですが、#1000番もおすすめの砥石です。隠れた名プレーヤーです。
✅ALTSTONE 深#1000 – そこまで硬くなく扱いやすい砥石です。逆に言うと鋼材を選ばず、包丁の曲線的な刃線やひねりのある和包丁にもフィットしやすい、包丁にはオールラウンダーな砥石です。
家庭での砥石の使い方(包丁の研ぎ方)
いよいよ砥石を使った包丁研ぎの基本手順とコツです。初めてでも安全に研げるよう、順を追って説明します。
砥石の準備(浸水): 吸水性砥石の場合は使う前に十分な水浸けが必要です。砥石を水に浸けると気泡が出てきますが、この気泡が出なくなるまでしっかり浸水できていればOKです。砥石が十分水を含んでいないと研ぐ際に摩擦が強くなりすぎて研ぎにくいため、焦らずしっかり準備しましょう。
浸水が終わったら砥石を台座や濡らして固く絞った布の上に置き、滑らないよう固定します。
研ぎの基本姿勢: 包丁を片手で持ち、砥石に対しておおよそ45度の角度で刃を当てます。(さらに、砥石の表面に対して包丁の背をわずかに浮かせ、刃先だけが当たる角度にします。一般的な両刃包丁であれば砥石との角度は約15度が目安です。「包丁と砥石の間に10円玉2枚分の隙間ができる程度の高さに刃を起こす」というのもよく言われる説明です。
この角度を保つことが重要なポイントで、角度がブレないよう意識しましょう。
「角度がブレないように」というのは、一見難しそうですが、何度もやるうちにいつの間にか自然と無駄な力が抜けて一定の角度で動かせるようになります。安い包丁を使ってとにかく何度も研いでみるのがおススメです。
研ぐ動作: 包丁の刃先を自分から見て手前右側(利き手が右の場合)から研ぎ始めます。刃を砥石に当てたら、軽く押さえながら前後に滑らせるように動かします。力は入れすぎず、砥石の上を滑る感触を確かめながら研ぎます。研ぐときは押すときに力を入れ、引くときは力を抜くのがコツです(※人によっては逆でも構いません。要は刃が当たる方向で少し圧をかけ、戻すときは力を抜いて刃先を傷
めないようにすること)。刃全体を均一に研ぐため、包丁を研ぎ進めるにつれて刃を当てる位置を少しずつずらし、切っ先から根元までムラなく研ぎましょう。

裏面も同様に: 片面が研げたら包丁を裏返し、反対側の刃も同じように研ぎます。両刃包丁の場合は左右ほぼ同じ角度・回数で研ぐのが基本です。研いでいるとき、「シャリシャリ」という研磨音が変わり滑るような感触になってきたら刃先にカエリ( burr )が出ている証拠です。指の腹で刃裏を優しく触れてみて、薄い金属のめくれ(カエリ)を感じたらその面の研ぎは一旦完了です。カエリが出たら
裏面に移り、同様にカエリが出るまで研ぎます。
仕上げ研ぎ(必要に応じて): 中砥石で両面にカエリが出て切れ味が戻ったら、通常の家庭用包丁では研ぎは完了です。さらに切れ味を上げたい場合や、包丁の刃先を滑らかに整えたい場合には仕上砥石(#3000以上)で軽く研ぎましょう。仕上げ研ぎでは中砥石よりも力を抜いて優しく研ぐのがポイントです。刃先の微細なギザギザを整えるイメージで、数回ずつ両面を磨いたら完了です。仕上げ砥石を使うことで、包丁の切れ味がより鋭く長持ちするようになります。
研ぎ終わりの処理: 研ぎ終わったら包丁についた黒い研ぎ汁(削りカス)を水でよく洗い流し、布で水気を拭き取ります。指で刃先に触れて切れ味を確かめるのは危険ですので、新聞紙や紙をスッと切ってみてスムーズに切れればOK。トマトや紙を試し切りして確認するのも良いでしょう。
「読んでもやっぱりよく分からないよ~」ってう方は、動画も参考にしてみてください。
■3分で分かる研ぎ動画(両刃編)
https://www.youtube.com/shorts/kEEnfiyXTXk?t=1&feature=share
■3分で分かる研ぎ動画(片刃編)
https://www.youtube.com/shorts/gpx_lkug3Ko?feature=share
砥石のメンテナンスと保管のコツ
砥石も道具ですので、長く使うためには適切なお手入れと保管が必要です。
面直し(平面出し): 砥石は包丁を研いでいるうちに少しずつ中央が凹んだ形に減っていきます。表面が平らでなくなると包丁に均一に当たらず研ぎムラや刃当たりの不安定さにつながります。定期的に面直し砥石(修正用砥石)やダイヤモンド砥石等を使って砥石表面を削り、平面を復元しましょう。とくに広い範囲が凹んでしまった場合はそのまま研ぎ続けると刃が引っ掛かり事故の元になるため、早めに修正してください。面直しの頻度は使用状況によりますが、プロのように頻繁に研ぐ場合は数回研ぐごとに、家庭で時々使う程度なら数ヶ月〜半年に一度程度が目安です。
使用後の手入れ: 砥石の使用後は、表面に付着した研ぎ汁や金属粉を水で洗い流します。その際、砥石どうしを擦り合わせるようにして軽く洗うと目詰まり(砥粒の隙間にカスが詰まること)を防げます。
研ぎ汁は研磨作用があるので研いでいる途中に洗い流す必要はありませんが、終わった後はきれいにしましょう。洗ったあとは陰干しで完全に乾燥させます。直射日光やドライヤーの熱風などで急激に乾かすと砥石が変形・割裂する恐れがありますので避けてください。
十分乾燥したら通気性の良い場所に保管します。水分が残ったまま密閉容器などに入れるとカビや臭いの原因になりますので要注意です。
保管場所: 基本は屋内の風通しが良く乾燥した場所に保管します。直射日光の当たる場所、高温になる戸棚の上などは避けましょう。夏場など湿度が高い時期は、ときどき砥石を取り出して様子を見て、表面にカビが生えていないか確認してください(万一カビが生えてしまったら表面を削って落とせば使用上問題ありません)。長期間使わない場合でも、時々水に浸けて使ってあげると砥石がひび割れにくく長持ちします。
よくある疑問Q&A
Q1. どのくらいの頻度で包丁を研げばいいの?
A. 明確な正解は使用状況によって異なりますが、家庭で毎日包丁を使う場合は月に1~2回ぐらいがよく言われます。切れ味が落ちたと感じたタイミングが研ぎ時ですが、こまめに研ぎ直すことで常に快適な切れ味を保てます。逆に砥ぎすぎも刃を減らしますので、切れ味が落ちてきたら研ぐという習慣で十分です。もし簡易シャープナーを併用する場合は週に一度程度研ぎ直しが必要とも言われていますが、
砥石でしっかり研いだ包丁は長持ちするので研ぐ頻度は少なくて済むでしょう。
Q2. ステンレス製の包丁も砥石で研げるの?
A. はい、家庭用のステンレス包丁も砥石で問題なく研げます。ステンレスは鋼(炭素鋼)に比べて素材がやや柔らかく、研ぎ下ろす際に中砥石(#1000前後)との相性が良いとされています。実際、一般家庭で主流のステンレス包丁なら#1000程度の砥石で十分切れ味を回復できます。もちろん鋼の包丁も同じ砥石で研げますが、鋼は硬いため研ぎ上げるのに若干時間がかかる傾向があります。いずれにせよ、砥石の番手選びは包丁の材質よりも包丁の状態(切れ味の落ち具合や欠けの有無)によって判断すると良いでしょう。
Q3. 正しい研ぎ角度がわかりません。角度ガイドは使うべき?
A. 両刃の包丁であれば刃と砥石の角度はおよそ15度(10円玉2〜3枚分の高さ)を目安にしてください。
最初はこの角度を保つのが難しいため、不安であれば市販の角度ガイドを使ってみるのも手です。ガイドを刃に取り付けることで自動的に一定角度が維持されるので、初心者でも均一に研ぎやすくなります。ただしガイドに頼りすぎると感覚が掴みにくい面もあるため、慣れてきたらガイドなしで研ぐ練習もしてみましょう。角度が多少ブレても、研ぎ続けて刃全体が当たれば切れるようにはなりますので、あまり神経質になりすぎず研いでみてください。
Q4. セラミック製の包丁も砥石で研げますか?
A. セラミック包丁の場合、一般的な砥石(人造砥石やセラミック砥石)では硬度が足りず研ぐことができません。セラミックの刃物を研ぐにはダイヤモンドシャープナーなど、セラミックより硬い研磨材を使った専用の砥石や機器が必要になります。無理に普通の砥石で研ごうとしても刃が研磨されず、砥石だけが減ってしまいますので注意してください。
Q5. 新品の包丁もすぐ研ぐべきでしょうか?
A. 新しく購入した包丁は多くの場合、工場出荷時に刃付け(最終研ぎ上げ)がされているため、すぐに研ぐ必要はありません。むしろ最初はメーカー仕上げの切れ味を確かめながら使ってみて、切れ味が落ちてきたら研ぎ時です。ただし、中には「本刃付け」がされていない包丁(荒研ぎ状態で売られているもの)もあります。その場合は切れ味が甘いため、使う前に研ぎ上げると真価を発揮します。見分け方として、購入時に切れ味保証のカードが付いているものや、商品説明に「本刃付け済み」と書いてあれば研がずに使えます。特に記載がなければ軽く研いでおくと良いかもしれません。いずれにせよ、日常的には刃こぼれしない限り研ぎすぎない方が包丁は長持ちしますので、最初から無理に研ぐ必要はないでしょう。
まとめ:研ぎを楽しみ、一生ものの包丁に
初心者向けに、包丁を研ぐための砥石選びから使い方の基本まで解説してきました。最初の一本には中砥石(#1000前後)が最適であり、できれば仕上げ用との両面砥石を選ぶと便利だということ、お分かりいただけたでしょうか。 砥石には様々な種類やブランドがありますが、大切なのはご自身の包丁と用途に合ったものを選ぶことです。適切な砥石を使えば、お気に入りの包丁の切れ味をいつでも蘇らせ、料理の質をワンランクアップさせることができます。
最初は戸惑うかもしれませんが、研ぎは慣れると無心で取り組める楽しい作業でもあります。砥石で研いだ刃は切れ味が長持ちし、料理のストレスも減ります。ぜひ本記事を参考に、家庭での包丁研ぎにチャレンジしてみてください。
最後に少し上級者向けの話をすると、世の中には天然砥石というものも存在します。天然砥石で研ぐと人工砥石では得られない独特の刃の輝きや風合いが得られ、切れ味の持続性も高いとされています。価格は高価になりますが、興味が湧いたらいずれ挑戦してみるのも良いでしょう。また、包丁研ぎの世界は奥深く、和包丁の片刃を研ぐ高度な技術や、鏡面のように仕上げる研ぎなど、探求しがいのあるテーマがたくさんあります。まずは日々のメンテナンスを通じて研ぎに慣れ、ゆくゆくは自分なりの研ぎスタイルを見つけてください。研いだ包丁で料理をする時間が、きっと今まで以上に楽しくなるはずです。
✅もし初めての砥石に迷っていたら、キッチンでコンパクトに使えて、鋼材を選ばないオールマイティな「深1000」を使ってみてね。